作者不明海と月稀人この世界の人々の多くは、海を恐れている。淡い月の光が届かない海の中は、月稀人にとっては全く別の世界なのだ。 それでも勇敢に海へ挑む者たちは、皆一様に水神スォースを敬い、加護を受けんとしているようであった。
この世界の人々の多くは、海を恐れている。淡い月の光が届かない海の中は、月稀人にとっては全く別の世界なのだ。 それでも勇敢に海へ挑む者たちは、皆一様に水神スォースを敬い、加護を受けんとしているようであった。
戦士の国フランムゥ海を渡り、ノブレゥのはるか東方に向かった私はフランムゥに辿り着いた。 黒いテーブレゥの海における航海は非常に過酷なものであったが(さらに船賃は目を見張るほど高いのである)、無事にたどり着くことは出来た。 初めて訪れた国、大国ノブレゥは雪深くも植物が豊かであった一方、こちらは...
リュンヌとスォース水神スォースと呼ばれる神は、月稀人にとっての最高神、リュンヌの恋人であったと言われている。 水面に浮かぶ月を見て、彼らは二人の姿を想像したのだろうか? 月稀人とは思いの外ロマンチストであるようだ。
テブㇿンノブレゥの街は寒いが、家の中は暖かい。 宿に帰ると、寒かっただろうと主人がテブㇿンという飲み物をくれた。 甘辛い香辛料の匂い。 見た目は少しドロッとしていたが、口当たりは悪くない。 風邪のひき始めにもよく効くのだという。 私はあとでレシピを尋ねることにした。
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