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作者不明

太陽のない世界

テーブレゥに太陽の柔らかな光が降り注ぐことは無い。

ここでは月―実際には月ではなく、淡い光を放つ恒星であるが―が空に昇るのみである。

一度「太陽がないなら、いつ昼間なんだ?」と聞いたことがあるが、首を傾げられただけだった。

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戦士の国フランムゥ

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青の景色

テーブレゥは気温が低く、雪深い地域も多いが、平野は比較的気候が穏やかだ。 過酷な山岳地帯とは違い、そこには柔らかな自然の風景があった。 月夜の下、穀物畑は淡く青白い光を放ちながら風に揺れていた。 私が最も愛するかの地の風景である。

大国ノブレゥ

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