top of page

街へ向かう道中、崖に隠れるように作られた小さな村を訪れた。

驚いたことに、彼らの月稀人特有の“角”は非常に小さく、中にはコブ程度の大きさしかない者も居た。

ここでは所謂“角なし”達が身を寄せ合って生活しているという。

月稀人の平均寿命は短く、50年程だという。

テーブレゥの過酷な環境が数字に現れた結果である。

しかし大角の者を始め、ノブレゥやフェルダの国民の寿命はさらに2、30年長い。

月光の安定的な摂取が、彼らの種の繁栄に繋がっているのである。

月稀人(つきまれびと)という呼び名は、旅人が彼らをそう呼んだことに由来する。

彼らが月光を得る姿を見たある旅人が

「月の光を食べている」

「月の光を食べているから、彼らが近くにいると月の光がまばらになる」

と考え、この呼び名がつけられたという。

bottom of page