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ノブレゥの街は寒いが、家の中は暖かい。


宿に帰ると、寒かっただろうと主人がテブㇿンという飲み物をくれた。

甘辛い香辛料の匂い。

見た目は少しドロッとしていたが、口当たりは悪くない。

風邪のひき始めにもよく効くのだという。


私はあとでレシピを尋ねることにした。

ノブレゥの特産品には、布や衣類、防具といった装備類が挙げられる。

それらには大角の職人によって何重にも月の力が込められており、例え軽量でも耐久性は折り紙付きだ。

独特な淡い光を反射させるため、知識のあるものならテーブレゥの外であっても一目で解るだろう。

ノブレゥを始め西部の月稀人の食事は、私が愛するあの美しい穀物畑の穀物を主食としている。

青白い光は収穫すると失われてしまうが、それでも月の力を豊富に含んでいるため彼らの身体に適しているそうだ。

味は小麦に近いが、パンは少し硬かった。 過酷な環境ゆえか、あまり食文化は発達していないようだ。

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